子猫のそうすけとの愛の生活のはじまり
家には、猫が一匹います。
嫁さんが、大の猫好きで、結婚して引っ越したらすぐに、猫をもらってきました。
猫の里親制度というのがあって、そこからひきとってきたのです。
家に来た頃は、まだ6か月でした。
名前は、想輔(そうすけ)、といいます。
嫁が付けたのですが、はじめは、え!という感じがしたんだけど、すぐにその名前になれて、いまではすごいいい名前だとおもっています。
そうすけ ⇒ ラブリーそうすけ ⇒ ラブそう ⇒ ラブ
以上のような変遷を経て、いまでは、ラブちゃんと呼ばれています。
そうすけの「そ」の字もない状態です。
家にきた当日は、土曜日で、嫁が連れて帰ってくることになっていました。わたしは、そのころは、また違うお仕事をしていて、その日は出勤で、夜帰ってきました。きっと、猫好きな嫁は、彼とでれでれでくっついているのだろうなとおもったのです。
帰ってみると、嫁は、一人で本を読んでいました。猫の姿はどこにもいません。
「あれ?猫ちゃんどうしたの?」ときくと、
「テレビの裏で隠れている」とかえってきました。
そうなのです、猫とはいえ、はじめてのお家で、はじめての人とそんなに仲良くなれるわけないのです。むしろ、はじめての環境が恐くて、それで、テレビの後ろに隠れて出てこないというわけでした。
上から、テレビの裏を見てみると、小さくちぢこまっている子猫が見えました。
「ああ、そうなんだね。どれくらいで慣れるの?」ときくと、
「2週間位だって」とかえってきました。
更に「夜泣きがしばらく続くみたいよ」と。
さて、夜になって、夜泣きがはじまりました。確かにニャーニャーないています。
さびしいし、怖いんだろうね、とか話しながら、ぼくたちはねました。
しかし夜泣きは思いのほか、長くは続きませんでした。おそらく3日間位ですんだかとおもいます。
夜泣きは済みましたが、それでもテレビの裏に隠れるのは変わらずで、それで2週間が経ちました。
その間に、ゲージを買ったら、テレビの裏から出てきて、ゲージの中には入るようになりました。
それでついにちょうど2週間目の夜だったかとおもいます。
ゲージを横に嫁と二人でこたつに入っていたのですが、そうすけ君がニャーニャーこっちに向かって鳴いてきたので、嫁に、
ちょっと抱っこしてみたらとすすめてみました。いままでなら、近づこうとすると、すぐに逃げてしまっていたのです。だから抱っことかしようとしないで遠くから見てました。
でもそろそろ2週間たつからとおもって、嫁に勧めると、嫁は、意を決して、そうすけに手を差し伸べました。そうしたら、そうすけは逃げもせず、はじめて、嫁の胸元で抱きしめられたのです。
そして、次には、その嫁の中で、ぐるぐる、言い始めたのです!
「Kさん、ぐるぐる言っているよ」と嫁、
「わあ!本当だ、すごい!」とぼく。
ついに嫁とそうすけ君は、相思相愛の中になったのでした。
なかなか感動的なシーンでした。
嫁もすごく幸せそうでした。
ぼくもはじめてそうちゃんが打ち解けた姿をみて、嫁と愛し合っているのをみて、
感動しました。
それから、ぼくたち夫婦とそうちゃんの愛の生活が始まったのです。