人生悲喜こもごも

演劇、哲学、うつ、人間関係など、日々感じたり考えたことを書きます。

愛猫ラブそう、闘病生活の始まりと愛の生活

 

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それは、そうすけ(愛猫、以下そうちゃん)が家に来て、2年位経った頃だったでしょうか。そうちゃんは2歳のころだったとおもいます。

 

朝方、5時位に、そうちゃんが激しくおう吐をし始めました。もともとたまにおう吐はあるのですが、激しかったので、そうすけ命の嫁は飛び起きて、彼に寄り添って様子をうかがっていました。ぼくは半分寝ていてうとうとしていましたが、そうちゃんが激しくげーげーやっている声は、ずっと聞こえていました。

 

7時ごろ、改めて目が覚めると、そうちゃんは、いつものように元気そうでしたが、嫁はそうちゃんにずっとついてたようでした。

 

嫁は、

「吐き方が、尋常じゃないし、液体みたいなものしか吐かないの」

 

今までも、たまに吐く子だったのですが、いつもは、大体、食事が出た時に勢いよく食べすぎて、食べた物ごと吐く感じだったのです。

 

それが今回は、何も食べてないのに吐く、吐くけど液体しか出ないのです。

 

嫁は、すごく心配そうで、

「そうちゃん、心配だから、Kさん、お医者さん連れてってくれる?」

 

嫁は、すぐに出勤で、ぼくは、仕事ではなかったので、ぼくが連れていくことになりました。

 

ペットクリニックに朝一番に行って、見てもらいました。

 

血液検査ですね。それからエコーも取りました。

 

で、結果は、

「肝臓の値が高いですね、おそらく、肝臓か胆のうの病気かと思われます。

詳しいことは、このクリニックだけでは限界があるので、大学病院の動物医療センターを紹介します。そこで、ちゃんとした診断が下るとおもいます」

 

肝臓の中にある胆のうがやられているようで、あるいはすい炎、またはがんの可能性もあるとも言っていました。

 

そうちゃんは、前のように元気になるのですか?ときくと、もっと検査してみないとわからないとのことでした。

 

わかったことは、そうちゃんが、内臓の病気にかかったようだということです。

 

そうちゃんはその後、水分と栄養分と吐き気止めの入った点滴を打ってもらいました。

 

ぼくは、そのクリニックでそのまま大学病院の予約を入れてもらって、肝臓の値を下げるステロイドと吐き気止めの薬をもらって、帰ってきました。

 

帰ってきたそうちゃんは、割と元気そうでしたので、ぼくはホッとして、その日は自宅での仕事をしていました。

 

 

その日の21時すぎに、嫁が帰ってきました。そこでそうちゃんの容態を伝えたのですが、嫁の驚くべき反応が返ってきました。

 

ぼくは、

「ああ、そうちゃんだけどね、肝臓の値がすごい高いんだって、肝臓の病気みたいだよ」

 

嫁は、それを聞いたとたん、あっという間に目に涙を浮かべて、泣き崩れました。そのままそうちゃんを抱きしめて、そのあと2時間泣き続けたのです。

 

まさか2時間も泣き続けるとはおもいもしなかったので、こっちは驚きました。

 

嫁は、知っていたのです、猫が一度内臓の病気にかかると、治らずに一生病気を抱えて生きていかなければならないということを。

 

それにしても、2時間も泣き続けたのには本当におどろきました。

 

最後には、嫁の実家のお母さんにまで、電話をかけ始めました、ぼくはそれを横で聞いていたんですが、

 

嫁、「もしもし、お母さん、そうちゃんがね!」と泣きながら電話でいいます。

 

お母さんも、異常事態に驚いようで、

「え、なに!Kちゃんがどうしたの?!」お母さんは、そうちゃんとぼく(Kちゃん)をきき間違えたようでした。ぼくの身に何かあったとおもったのでしょうか。

 

嫁、

「違う!Kちゃんじゃなくて、そうちゃん!」

 

お母さん

「え、そうちゃん?ああ、猫ね。あなた、猫よりKちゃんのほうが大事じゃないの!」

 

嫁は、そういわれて泣きながら笑っていましたが、そのあと、そうちゃんが内臓の病気にかかったことを伝えました。お母さんも、あきれていたようですが、その後、嫁を慰めていました。

 

そして、2時間が経過して、やっと泣き止んで、ぼくのところに来て、

「猫はね、内臓の病気にかかるともう治らないのよ」

と教えてくれました。

 

そこでぼくはやっと嫁の嘆き悲しみが納得いったわけでした。

 

 

そうちゃんは、その後、大学病院でみてもらい、がんでもすい炎でもなく、おそらく胆管炎だろうとということに落ち着きました。

 

ぼくは、その診断をきいてすぐに、

「先生、そうちゃんは、前のように元気に過ごすことができないのですかね?」

とききました。

 

大学病院の医師は、

「それは、だいじょうぶです。とりあえずステロイド抗生物質を飲み続けることで、以前のように元気でいられるはずですよ」

 

それをきいて、ホッとしました。そして更に、

「そうちゃんは、どれくらい生きられるのでしょうか?」とききました。

 

医師、

「そうですね、平均寿命位は生きられますよ」

ぼく、「平均寿命って何歳くらいなんですか」

医師「大体10歳位です」

 

帰ってから、余命のことも嫁に伝えると、

「Kさん、ありがとう。わたしじゃとても怖くてそんなこときけなかったとおもう」

 

 

こうしてそうちゃんとぼくら夫婦の新たな生活がスタートしました。

そうちゃんには毎日ステロイド抗生物質のを錠剤を朝と夜に口から飲ませています。

既に3年が経過しています。

 

この生活は、そうちゃんが天に昇るまで続くことでしょう。

 

いま、そうちゃんは、5歳です。容態は落ち着いていて、うちの中を元気に走り回っています。

 

その間にぼくもそうちゃんが大好きになってしまいました。

 

大好きなそうちゃんと大切な嫁との3人での暮らしを、これからも一日一日大切にして生きたいとおもいます。

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。

 

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